若い男に貢ぐために横領を働いたという実際の事件を元にした、原作・角田光代による映画『紙の月』。ネタバレと実話になった事件をご紹介します!
映画『紙の月』映画情報
- 公開 2014年
- 原作 角田光代
- 監督 吉田大八
- 出演 宮沢りえ 池松壮亮
宮沢りえさんは、映画『オリオン座からの招待状』以来、7年ぶりの映画主演作となっており、本作では、第38回日本アカデミー賞にて、最優秀主演女優賞を受賞されています。
宮沢りえさんの素晴らしい演技もこの映画の見どころでしょう!以下、ネタバレにて内容を詳しくご紹介いたします。
映画『紙の月』ネタバレ
ごく普通の主婦・梅澤梨花(宮沢りえ)は、わかば銀行のパートとして働いていたところ、その堅実さが認められて契約社員として働くことになりました。
ある日、営業先の平林というお宅へ行くとセクハラまがいのことを言われてしまいますが、そこをその家の孫・平林光太(池松壮亮)に助けられます。
後日、駅ですれ違ったふたりですが、コウタは美人なリカのことを覚えており、声をかけました。その日は何もなかったものの、後日また偶然にも再開し、この日を境にふたりは体の関係を持つようになりました。
同じ頃、リカはデパートへ立ち寄った際に化粧品を買おうとしたところ、手持ちのお金が足りないことに気づき、「あとで返せばいい」という軽い気持ちで顧客のお金に着服してしまいます。
そしてコウタに学費という多額の借金があることを知り、リカはコウタの祖父である平林に上手いことを言い、またお金に着服してしまうのです。
もうすでに、コウタに恋をしているリカは、彼のために身なりを美しく整え始めますが、出張などで忙しい夫は、彼女の変化にも気づきません。
着服という行為も、コウタに貢ぐカタチでだんだんと大胆になっていき、いよいよ「あとで返せば」で済む金額ではなくなっていました。
ダメだとわかっていても止められない恋と着服はどんどんと加速していき、いよいよ前に進むしか無くなってしまうのでした。
しかしそれも長くは続きませんでした。ある日、コウタと2人のために借りた高額な別荘で、コウタが浮気をしているところに出くわします。その上彼は、あんなに苦労していた学費問題への意識が薄れたのか、学校も辞めてしまっていたのでした。
次いで、職場では行員の大先輩によって不正がバレてしまいます。一度はやり過ごすも、どうにもならなくなったリカは、偉い人に今までの不正を全て打ち明けた上で、制服のまま職場から逃走します。
ラストシーンでは、リカは幼少期に学校を介して寄付をしていた国にいました。当時、リカが父のお財布からお金を盗んでまで寄付していたことが原因でその寄付活動は終わってしまうのですが、その頃の子供達は大人となり、立ち尽くすリカにリンゴを恵んでくれました。彼女がそのリンゴをかじって映画は終わります。
映画『紙の月』感想
まずは、若い男の子に貢ぐために、何億ものお金を横領したOL!これが実話だなんて!愛の力ってすごい。。恋は盲目だな。。。と思いました。
でも、結婚しているのに退屈で、夫に満たされない気持ちの中、自分に魅力を感じてくれる若い男の子がいたら、、、とか、「あとで返せば」で始めた不正が気づいた頃にはもうどうしようもなくなっていて、、、とか、なんだかその気持ちもすごくわかるような気もして、わたしはこの作品を見ながら、切なくて何度も泣きました。
でもその切なさはおそらく、宮沢りえさんの繊細で強いあの演技でなければきっと生まれていなくて、この人は本当に素晴らしい女優さんだなあと思いました。
ついでに、わたしは池松壮亮さんがとても好きなので、いわゆるピンクなシーンでは、両手で目を覆いつつもその指の隙間から、しっかり見てしまって、きゃーっとなりました。
映画『紙の月』実話になった事件
実話を元にしたとされるこちらの映画。実際の事件はどのような事件だったのでしょうか?
調べてみたところ、似通った事件はいくつかありました。特に1973年に起きた滋賀銀行9億円横領事件は本当にそっくりで、当時42歳だった銀行員で働く女性が10個も年下の男に貢ぐために横領したと言う事件です。
しかし、原作者の角田光代さんは以下のようにお話しされていたようです。
普通の恋愛では無い、歪なかたちでしか成り立つことのできない恋愛を書こうと決めていたが、実際のニュースで銀行員の女性が使い込みをしたという事件を調べると、大抵が“男性に対して貢ぐ”という形になっていることに違和感を覚えた。そして、“お金を介在してしか恋愛ができなかった”という能動的な女性を描きたいという思いが湧き上がった
出典元 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%99%E3%81%AE%E6%9C%88より
このように、角田さんは特定の事件ではなく、いくつかの事件を参考にされたようですね。
特に“お金を介在してしか恋愛ができなかった”と言う部分にはハッとさせられますし、本作もそれが見どころのひとつとなっております。是非ご覧ください!
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